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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年2月19日 No.3212 サイバーセキュリティに関する課題で意見交換 -国の基本問題検討委員会・情報通信委員会

サイバーセキュリティ対策の
課題について説明する村井氏

経団連は2日、東京・大手町の経団連会館で国の基本問題検討委員会(中西宏明委員長)・情報通信委員会(内山田竹志委員長、近藤史朗共同委員長)合同会合を開催した。中西委員長が司会を務め、慶應義塾大学の村井純環境情報学部長・教授から、サイバーセキュリティ対策に関する課題について説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

現在、インターネットを前提とする社会が到来している。世界では70億人の人口の約40%、日本では人口の約80%がインターネットを利用している。今後、ビッグデータやIoT(Internet of Things、あらゆる「モノ」をインターネットに接続し、相互に通信や情報交換を行う仕組み)に対して、人間が果たすべき責任が問われる。すべての産業がインターネットを前提とするようになり、多様なデータを共有するプラットフォームを持つことが必要になる。

こうしたなか、昨年11月にサイバーセキュリティ基本法が成立し、サイバーセキュリティとITを同レベルの重要な戦略とすることが法的に裏づけられた。安心と安全を両立することが、技術の発展にとって大事であり、ITの推進とサイバーセキュリティの向上は同時に進めなければならない。インターネットの安全性が高まれば、経済が発展する。安心・安全の確保と経済の発展を同時に達成することが日本の産業の務めである。

日本にはITの専門人材が不足しており、ユーザー側の企業に入らない。優れたIT人材を育成するためには、小学校のレベルから、わが国のIT教育をつくり直さなければいけない。大学側としては、産業界と連携して人材育成に取り組みたい。

<意見交換>

意見交換で、中西委員長が「サイバーテロやサイバー攻撃に対して、インターネットにおいてどう抑止するのか」と質問したのに対し、村井氏は「セキュリティのインシデントのきっかけは、問題がわかっていたのに対策していなかったことから起きる。安心して経済を発展させるため情報交換を進めるというポジティブな目標を持つことが抑止力になり、それによってリスクを最小限にすることが大事である」と回答した。

【産業技術本部】

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