経団連(米倉弘昌会長)は9月26日、自由民主党首脳と当面の重要政策課題等をめぐって意見交換を行った。会合には、自民党から、高村正彦副総裁、石破茂幹事長、野田聖子総務会長、高市早苗政務調査会長、溝手顕正参議院議員会長、脇雅史参議院幹事長、細田博之幹事長代行、山口泰明経理局長らが出席。経団連からは、米倉会長、渡文明審議員会議長、各副会長をはじめ15名が出席した。
冒頭、米倉会長は、「安倍政権の思い切った経済政策の効果もあり、わが国では、消費者マインドが改善しつつあるほか、多くの企業で収益が持ち直すなど、経済の本格的な再生に向けた明るい動きが見え始めている。また、オールジャパンの取り組みにより、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を勝ち得たことは、日本社会全体にさらなる活気を与えることとなるだろう」と述べたうえで、「衆参のねじれが解消し、ようやく政策の迅速な実行に向けた環境が整った今、自民党には、山積するわが国の重要課題の早期解決に向け、強力なリーダーシップを発揮されることを強く期待する。経団連としても引き続き、最大限協力したい」と自民党への期待を表明した。
続いて高村副総裁が、「今後、消費税を予定どおり引き上げ、経済成長と財政再建を両立させることがベストシナリオである」と述べたうえで、復興特別法人税の廃止の前倒しに関し、「なぜ復興特別法人税だけが廃止されるのか、国民の理解を得ることが必要である。そのためには、復興特別法人税の廃止が、賃上げに結びつくという道筋が見えることが必要だ。デフレ脱却のため、経営者が賃上げを決断してほしい」と発言した。
また、石破幹事長は、「7月の参議院選挙で大勝したが、投票率が約5割、自民党の得票率は約4割であったことを考えれば、自民党を積極的に支持した国民は約2割しかいないことになる。この点を踏まえ、丁寧に政権運営を行う必要がある」「政策をぶれずに進めていくことが重要であるが、同時に党内で選挙にきちんと勝てる体制をつくりたい」と述べた。
その後、成長戦略、社会保障、税制、国会改革などをめぐって意見を交換。そのなかで米倉会長は、「現在、有効求人倍率は0.94、失業率は3.8%と日本経済は完全雇用といってよい状態にある。今後、企業業績がさらに改善すれば、必然的に賃金の引き上げにつながっていくと思う」と述べた。
【政治社会本部】