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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年8月8日 No.3142 グロース・ドイツ連邦議会議員・元経済技術相と懇談 -ドイツ経済の現況など説明

経団連の横山進一ヨーロッパ地域委員会共同委員長は7月29日、東京・大手町の経団連会館で、ドイツのグロース連邦議会議員・元経済技術大臣と懇談した。横山共同委員長からは、参議院選挙で与党が勝利をおさめたことを踏まえ、今後の安倍政権による経済政策への期待を述べるとともに、エネルギー政策に関する経団連の基本的な考え方等を説明した。グロース議員の発言概要は次のとおり。

■ メルケル首相は続投の見通し

ドイツでは、9月22日に連邦議会選挙が実施される。選挙結果は投票所が閉まるまでわからないが、どのようなかたちの連立を組むにせよ、メルケル首相が続投する可能性が極めて高い。その理由として、国民の間で、政府に対してさしたる不満がないことが挙げられる。

他の欧州諸国と比較して、ドイツ経済は堅調である。また、長年にわたりさまざまな改革を推し進めてきた結果、労働市場の弾力化など成果が着実に現れており、国際競争力が高まっている。われわれもこうした状況に誇りを持っている。ドイツなしには、欧州経済はより厳しい状況に陥っていたであろう。

■ 気候変動問題の解決には原子力発電の利用が不可欠

日本ではエネルギー政策が重要な課題となっていると承知している。ドイツでは2011年に脱原発を決定した。私自身は、これが正しい判断とは思わなかったため、賛成票を投じなかった。特に、温室効果ガスの削減目標を達成するためには、原発を利用しないという選択肢はあり得ない。もちろん、その際には、高度な安全性の確保が大前提となる。

■ 日EU経済連携協定(EPA)交渉開始を歓迎

ドイツとしても、日EU EPA交渉開始を大変歓迎している。競争が排除された環境のもとでは、構造改革が必要な分野が、手つかずのまま残されてしまう懸念がある。そうした懸念を払拭し、新たな挑戦に立ち向かう枠組みを構築するものとして、EPAは効果的であると考える。

【国際経済本部】

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