経団連事業サービスは14日、東京・大手町の経団連会館で、企業の次世代リーダーの育成を目指す「経団連グリーンフォーラム」(チーフアドバイザー=宮原耕治経団連副会長・日本郵船会長)第8期の開講式を行った。第8期メンバー23名、宮原チーフアドバイザー、アドバイザーの関島康雄氏(3Dラーニング・アソシエイツ代表)、大久保幸夫氏(リクルートホールディングス専門役員・リクルートワークス研究所所長)らが出席した。
開講あいさつした宮原チーフアドバイザーは冒頭、経営者として実践するリーダー育成のためのステップとしてまず、「リーダーとなる資質を持った人材を発掘すること。その資質とは勇気、正直さ、忍耐力、配慮、努力、公平さなどで、なかでも客観的に物事を見るうえで必要な『公平さ』を重視している」。次に「発掘した人材を日々のビジネスのなかで合理的な論理の組み立て、科学的考察に基づく判断、目標達成の強い意欲、国際性や社会性などを身につけるように教育していくこと」と指摘。そのうえで、「与えられたチャンスを逃さず、全力をもって取り組んでほしい。謙虚さを忘れず、誠心誠意で物事に当たり、正々堂々と振る舞う、ぶれない信頼される人になってほしい」とメンバーを激励した。
その後、両アドバイザーがあいさつ。関島アドバイザーが、「グリーンフォーラムは答えを見つけるのではなく、答えの見つけ方を学ぶ場であり、一人ひとりがクラスのなかで仲間から一目置かれる存在になるよう切磋琢磨してほしい」。大久保アドバイザーが、「参加前に課題図書を読むことで疑問と課題をもって講座に参加し、参加後は実践で試してみて知識を再生する。この二つができれば学習の生産性が上がる」とアドバイスした。
続いて、第7期の修了生である上野顕子・全日本空輸客室センター客室乗務一部乗務第二課主席部員、杉井淳一・中日本高速道路企画本部広報・渉外部渉外室担当室長が、「この1年間、スキルや知識、ノウハウだけでなく、自分自身としっかり向き合い考え直すことができた。今までの行動様式を変えようと、学んだことを日々の生活で活かそうと努力している。思いを共にするメンバーがいたから乗り越えられた」「フォーラムでは、二つのことを得た。一つはモノの考え方。自分がどうあるべきか、どうありたいかを意識して過ごすようになった。もう一つは切磋琢磨できる仲間。自分をさらけ出して語り、困った時に相談できる仲間ができた」とそれぞれ、受講を通じての自身の経験を語った。
その後、第8期メンバーが一人ひとり自己紹介し、フォーラムへの期待や意気込みを語った。
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経団連グリーンフォーラムは次世代リーダーの育成を望む声に応え、06年度にスタート。リーダーシップやキャリアデザイン、プロジェクトマネジメント、ネゴシエーション、プレゼンテーション、ロジカル・コミュニケーションなどを講義とグループ討議、演習を通じて学ぶとともに、異業種交流による人脈形成も目的とする。合宿講座を含め、5月から翌年3月まで実施する。
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