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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年1月24日 No.3116 「今後の経済運営に関する基本的考え方」を公表 -早期実行が求められる八つの政策課題提起

経団連は22日、「今後の経済運営に関する基本的考え方」を取りまとめ、公表した。概要は次のとおり。

■ 企業の役割と日本経済の現状

企業は、財やサービスの提供を通じて、経済成長や雇用の維持・拡大を実現し、国民生活を豊かにするという重要な役割を担っている。しかし、国内の事業環境が悪化の一途をたどり、企業の活力は充分に発揮されていない。「失われた20年」とも言われる長期の低迷状態が続くとともに、少子高齢化によって、社会保障給付費は年々増加、政府債務は積み上がり、財政は極めて深刻な状況にある。

■ 現状打破に向けた道筋

デフレからの脱却や名目3%程度の着実な成長実現のカギは、設備投資の拡大、イノベーションの加速、サービス産業の生産性向上にある。そこで、事業環境の国際的なイコールフッティングを確保する観点から、以下の八つの政策課題の早期実行が欠かせないと訴えた。

■ 早期実行が求められる八つの政策課題

  1. 1.大胆な規制・制度改革の断行(縦割り行政の打破)
    規制・制度改革を推進し、民間のイニシアティブを引き出し、国内外から投資を呼び込む。強力な司令塔の下で、各分野の規制・制度を総ざらい・点検し、可及的速やかに改革を断行する。

  2. 2.エネルギー・環境政策の再構築
    安全性とエネルギーの安全保障、経済性、環境適合性のバランスの取れた責任ある政策を立案・実行するとともに、温暖化政策についても、抜本的に見直す。

  3. 3.適切な為替水準の実現
    適正な為替レートを維持し、わが国企業の競争力向上を図る観点から、政府・日銀が一体となって、あらゆる手段を講じる。

  4. 4.成長に資する財政・税制改革
    先行きの景気悪化懸念を払拭すべく、補正予算を含めた切れ目のない政策対応を行う。加えて、研究開発促進税制の拡充をはじめとする税制改革も実行する。

  5. 5.自由貿易体制の推進とアジアをはじめとする新興国の需要の取り込み
    WTOドーハ・ラウンドの当面の妥結が見込まれないなか、TPP(環太平洋経済連携協定)をはじめとする経済連携協定を推進するとともに、経済安全保障の確立や新興国の成長に対する積極的な需要の取り込みを図る。

  6. 6.現役世代ならびに企業の公的負担の抑制
    経済活力と国内雇用を維持するため、現役世代が負担する社会保険料負担の増加に歯止めをかけ、持続可能で成長と両立する社会保障制度改革を実行する。また、支え手を増やす観点から、女性の社会進出の促進や少子化対策を講じていく。

  7. 7.地方分権改革の推進と道州制の実現
    地域が独自の地域経営を行えるよう環境整備を進め、道州制実現に向けた道筋を明らかにする。

  8. 8.人材育成の強化に向けた教育改革
    経済のグローバル化に対応した人材の育成に向け、大学の国際化等の教育改革を行う。

【経済政策本部】

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