経団連は12月27日、第56回福利厚生費調査の集計結果概要を公表した。主な内容は次のとおり。
2011年度における企業の福利厚生費負担額は、従業員1人1カ月当たり10万3298円で前年度に比べ3.2%増加した。
福利厚生費のうち、社会保険料等の企業負担分である「法定福利費」は7万7744円で前年度比4.4%の増加、企業が任意に行う福祉施策に要する費用である「法定外福利費」は2万5554円で同0.1%減少した。
現金給与総額は、54万6246円で前年度比0.8%の増加である。
法定福利費の増加の主な要因としては、現金給与総額の微増に加え、厚生年金保険料率の段階的引き上げや、少子高齢化の進行の影響による健康保険や介護保険の料率の上昇が挙げられる。現金給与総額の伸びが鈍る一方で、社会保険料負担は増加しており、対現金給与総額の比率は14.2%と前年度に比べて0.5ポイント増加した。法定福利費は企業の裁量により費用を変動させることができないことから、総額人件費管理において、留意すべき要素であることに変わりがない。
法定外福利費は減少傾向が続いている。「文化・体育・レクリエーション」は前年度比で2.0%減少したが、内訳では、「施設・運営」費用が987円で同6.4%減少した一方、「活動への補助」費用が1073円で同2.3%増加した。1974年度以来、施設・運営費が活動への補助費を上回っていたが、37年ぶりに活動への補助費が施設・運営費を上回った。企業がハード面からソフト面への支援に重点を移しているといえる。
また、「ライフサポート」のうち、「育児関連」費用は11年度も12.7%増加し、239円となった。「育児関連」費用の増加は10年連続であり、企業の関心の高さがうかがえる。
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経団連福利厚生費調査は、1955年度から毎年実施し、今回で56回目。同調査では、福利厚生費の各項目について企業の年間負担総額を年間延べ従業員数で除した1人1カ月当たりの平均値(加重平均)を算出している。有効回答企業数は688社、有効回答率42.3%、回答企業の平均従業員数は4308人である。
【労働法制本部】