経団連は12月6日、東京・大手町の経団連会館で情報通信委員会企画部会(武山芳夫部会長)の委員を中心に、インドソフトウェア・サービス協会(NASSCOM)との意見交換会を開催し、NASSCOMのソム・ミッタル会長から、インドのICT産業の現状などについて説明を聞き、意見交換した。
ミッタル会長の説明は次のとおり。
NASSCOMはインドを代表するIT業界団体であり、会員企業は1350社を超える。インド国内の産業収益の95%はNASSCOMの会員企業によるものである。
インドと日本の二国間取引は約180億ドルであり、日印包括的経済連携協定(CEPA)により、2014年までに取引額を250億ドルに増やすことを目標としている。インドでは2025年までに中産階級が6億人となることが予想されている。さらに、今後10年間における1.7兆ドルのインフラ投資機会や通信人口の増加、地方のブロードバンド環境の拡大など、日本企業にとってインドは魅力的な市場となる。
インドの技術者は高い競争力を持ち、多くの先進国の研究開発拠点で採用されている。これらの人材を活用し、今後は、「より安く」から「より良い方法で」へのビジネス変革が求められる。
合併や買収などにより、日本とインドのIT企業の連携も進んでいる。成長を続けるインド市場へ参入してインドの人材を有効活用し、インド企業と連携してグローバルに対応できるようにすることが、日印両国にとってプラスになる。文化や言語、ビジネス慣習といった問題を日印がともに解決していくことで、日印のさらなる協力関係の強化につなげたい。
<意見交換>
続く意見交換では、「供給者側と消費者側の関係だけではうまくいかない。日印で成功体験をシェアすることが重要」「インド企業を利用して日本市場をターゲットにサービスを提供してきた従来の考え方からは脱皮せざるを得ない。日本企業は、うまくインド企業と連携することでよりグローバルなビジネス展開ができる」「インドでは10億人がスマートフォンを利用している。この状況に鑑み、市場シェアではなく、どのように市場形成すべきか考えながら取り組むべき」といった意見が出された。
【産業技術本部】