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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年10月18日 No.3105 グローバル化時代における標準化と認証のあり方めぐり産総研と懇談 -一村副理事長と意見交換/知的財産委員会国際標準化戦略部会

経団連の知的財産委員会国際標準化戦略部会(小豆畑茂部会長)は9月26日、東京・大手町の経団連会館で、産業技術総合研究所(産総研)の一村信吾副理事長を招き、近年わが国において重要性が指摘されている国際標準化および認証に関する同研究所の取り組みについて説明を受けるとともに意見交換した。一村副理事長の発言の概要は次のとおり。

■ 標準化・認証ニーズの高まり

1990年以降、わが国は停滞の20年といわれる。国際的な競争優位性が低下した産業も目立つ。産業競争力の再構築に向け、製品技術力のみならず国際標準化・認証力に対する関心が高まっている。

国際標準化に対する取り組みについては、政府の掲げる知的財産戦略との一体的推進戦略のもと、少しずつ結実していると言える。他方、認証については、特に新しい分野における対応の面で完全に海外の認証機関に押されており、早急な対応が必要な状況となっている。

■ 国際標準化戦略に対する産総研の取り組み

産総研は、幅広い研究分野をカバーする多数の研究者を擁し、国家計量標準を担う公的研究機関の特徴を活かして、国際標準推進の基本戦略を構築している。知的財産推進計画における国際標準化特定戦略7分野の指定を踏まえ、これら重点分野の標準化を推進している。なかでもロボット分野については、つくばにロボット安全研究拠点を構築し、生活支援ロボットの安全性確保や安全性認証に向けた取り組みを、他の国内関係機関と一体となって展開中である。

■ 産業インフラとしての認証の重要性

認証は、産業のインフラとも言える重要なものであるが、わが国の取り組みは欧米に比して大きく立ち遅れている。わが国の認証機関は、基準や規格が制定された後に、それらを満たすかどうかという適合性評価を担っているが、欧米の認証機関は、そうした評価はもちろんのこと、まだ基準や規格が整備されていない開発段階の分野の性能・安全性評価にも積極的に取り組むことで、新規分野での先行者利益を獲得している。わが国における認証力の強化は極めて重要な課題である。

■ 産業界との連携強化

産総研は、産業技術を担う公的機関として、研究成果を基にした標準化と認証の活性化に貢献するとの基本戦略の下、標準化・評価技術の開発、認証体制の設計等に協力し、技術や社会に速やかに行き渡るよう支援していく。そのためには、産業界との対話・連携をこれまで以上に強化していくことが肝要と考えている。

◇◇◇

経団連では、わが国の国際標準化や認証のあるべき姿、官民で進めるべき具体的方策等について、引き続き検討を深めていく。

【産業技術本部】

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