1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2012年7月12日 No.3093
  5. 「震災からの復興の加速に向けた提言」を取りまとめ

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年7月12日 No.3093 「震災からの復興の加速に向けた提言」を取りまとめ -被災地域の生活再建と産業復興に向けて現行制度下で早急に取り組むべき課題提示

経団連(米倉弘昌会長)は「震災からの復興の加速に向けた提言 ― 一日も早い被災地域の生活再建と産業復興に向けて緊急に取り組むべき課題」を取りまとめ、公表した。提言の概要は次のとおり。

1.復興施策推進体制

復興推進体制の強化に向け、復興庁の機能充実、関係機関の適切な役割分担による連携強化として、復興庁が被災地域の視点に立って総合調整機能を発揮し、関係機関の機能の有機的連携・総合化を図るべきと指摘。また、被災自治体におけるマンパワー不足に対応するため、すでに実施されている国や全国自治体等からの応援派遣の拡充を求めた。

2.災害廃棄物処理

処理・処分の加速に向けては、現地処理施設の稼働円滑化と拡充、復興資材としての再生利用の拡大、広域処理の拡充・円滑化を図るべきと指摘。このため、廃棄物処理法、建築基準法等の各種行政手続きの迅速化・円滑化、中間処理後の廃棄物や焼却灰の搬出先確保等の推進の重要性を強調した。

3.まちづくり

被災地域の土地利用計画等のまちづくり計画の早期策定・実施に向けて、復興交付金等の活用による住民負担の軽減を図りつつ、首長はじめ政治が強いリーダーシップを発揮することで住民の合意形成の促進を図る重要性を指摘。あわせて、被災自治体の人材不足に対応するための応援派遣の拡充とともに、各種手続きの簡素化や、CM(Construction Management)方式等発注方式の改善、PFI(Private Finance Initiative)や土地信託手法の活用等を通じた民間活力の積極的活用を提言した。

4.産業復興

企業にとって立地場所の確保・確定や人材の確保は極めて重大であり、土地利用計画の早期策定・実施、雇用のミスマッチの解消は喫緊の課題であることを指摘。また、被災地域において就業者の割合の高い一次産業および関連産業の再生による生活基盤再建とともに、将来の地域経済の中核となる産業の形成の重要性を指摘し、その実現のため、復興特区制度の積極的活用に向けた特例措置の対象地域や業種、復興交付金事業の対象事業の拡大・適用の柔軟化の必要性を強調した。

農水産業や地場中小企業の復旧・復興には、除塩やかさ上げ等の基盤整備とともに、水産業集積地域等の集約や農地集積・農商工連携の推進等による競争力強化に向けた取り組みの強化も重要であるとした。地域経済の中核産業の形成のための企業立地の促進に向けては、税制、補助金、規制緩和等の各種支援策の拡充や被災地域における事業用資産に対する国の支援を求めた。

その他、経団連として、ボランティア活動等の各種支援活動の継続に加え、新規投資の促進や被災地域企業との取引の拡大等、事業活動の強化を通じて、地域雇用の維持・拡大に積極的に取り組むとともに、被災地域の投資環境や復興状況等の理解促進に向け、国内外への正確な情報発信に貢献していく旨表明した。

【産業政策本部】

「2012年7月12日 No.3093」一覧はこちら