経団連(米倉弘昌会長)、日本商工会議所(岡村正会頭)、経済同友会(長谷川閑史代表幹事)の3団体は6月27日、都内で「地域主権と道州制を推進する国民会議」を開催した。道州制推進知事・指定都市市長連合、九州地域戦略会議のほか、各地の経済連合会と経済広報センターが後援し、企業、関係省庁、地方自治体、マスメディアなどから約300名が参加した。
開会あいさつで経団連の米倉会長は、「大阪都構想や関西広域連合等、地域レベルで活性化している広域行政需要への対応、地方分権の機運の高まりを、いかにして国政レベルでの道州制実現に向けた取り組み強化につなげるかが重要。各政党において、道州制実現への取り組みをより一層強化していただきたい」と述べた。
4党の政調会長が道州制などへの取り組み状況説明
続いて、民主党の前原誠司政策調査会長、自由民主党の茂木敏充政務調査会長、公明党の石井啓一政務調査会長、みんなの党の浅尾慶一郎政策調査会長が順次登壇し、道州制ならびに地方分権改革に関する取り組み状況やその実現に向けた方策に関する説明があった。
民主党の前原政調会長からは、政府の地域主権戦略会議における地方分権に向けた取り組み状況を踏まえたうえで、「広域連合では権利主体としての責任が明確にならない。最終的には道州制が望ましく、その成功のカギは府県をなくす意識をもてるかどうかにある」との言及があった。
自民党の茂木政調会長からは、同党が今国会中の提出を目指している道州制基本法案について、「同法の成立の後5年以内に道州制に移行する方針を盛り込んだ」との紹介があったほか、「道州制の導入によって生活がどのように変わるのか見えにくいことが、国民的議論がいまひとつ盛り上がらない一つの要因ではないか」との指摘がなされた。
公明党の石井政調会長からは、「公明党においても道州制についてプロジェクトチームを設けて検討を深めている。具体的には、道州制移行基本法を今年度中に制定し、平成30年度を目標に、道州制への移行をスタートさせたい」との説明があった。
みんなの党の浅尾政調会長からは、すでに国会に上程中の「道州制への移行のための改革基本法案」について、「法案では、同法の施行後7年以内に道州制へと移行する方針を示している」旨説明があった。
その後、経済同友会の柏木斉副代表幹事が「道州制実現に向けた政治のリーダーシップを」と題するアピール案を朗読し、会場の拍手をもって採択された。同アピールは後日、来席した各党の政調会長に届けられる予定。
閉会あいさつでは、日本商工会議所の岡村会頭が、「現時点では、地域主権や道州制の意義・メリットについて、国民の理解が進んでいるとは言い難い状況にある。国民の一人ひとりが自らの問題としてとらえ、国民的な議論がより活発に行われることが望まれる」とし、道州制実現に向けた機運の高まりに期待を示し、会議を締めくくった。
【産業政策本部】