経団連(米倉弘昌会長)は5日、東京・大手町の経団連会館で、一般社団法人に移行後初めてとなる定時総会を開催した。総会には経団連の会員代表者約480名が出席。2011年度事業報告および決算が報告されたほか、2012年度事業方針および収支予算などの議件がすべて承認され、新体制と事業方針が決定した。また、荻田伍・アサヒグループホールディングス会長、石原邦夫・東京海上日動火災保険会長、篠田和久・王子製紙会長の3名が新たに副会長に選任された。
■ 野田首相らが来賓として出席
総会には、野田佳彦総理大臣、玄葉光一郎外務大臣、古川元久経済財政・国家戦略担当大臣が来賓として出席。野田総理大臣は、「社会保障と税の一体改革については、今国会中に採決ができる環境整備に向け、最大限の努力をする。この国のためにやらないといけないことに対し、しっかりと結論を出すという政治をつくりたい。経営者の皆さんには、オピニオンリーダーとしての協力をお願いしたい」と述べた。玄葉大臣は、「経済外交として、日中韓投資協定、日EUEPA、TPPなどの経済連携の強化や、官民一体でのパッケージ型インフラの展開等を進める」、古川大臣は、「日本経済を新しい成長軌道に乗せるために、構造的・体系的な政策を検討して新しいパッケージにまとめ、実行していきたい」と語った。
■ 米倉会長開会あいさつ
開会あいさつした米倉会長は、わが国が直面しているさまざまな重要課題のなかで、特に(1)震災復興(2)社会保障と税の一体改革および財政の健全化(3)民間活力による経済成長の実現――について指摘。経済界として震災発生直後から復興に向けた支援を続けていることや、持続可能な社会保障制度の構築に向けて政府に働きかけを行うこと、また、未来都市モデルプロジェクトを核にイノベーションを加速し、日本経済の活性化につなげていくことなど、経団連の各課題への取り組みについて紹介した。
また、「日本の再生に向けた本格的な取り組みが始まろうとしている今、あらためて、会員企業と全国の国民の皆さんに『今こそ自信を持とう』という言葉を送りたい」と述べ、わが国が困難を乗り越え、再び復活を成し遂げるために必要なのは、一人ひとりが自信を持ち、日本の力を信じて、ともに行動を起こしていくことであると強調した。
【総務本部】