そこで本座談会では、現下の国際情勢を踏まえ、自由で開かれた国際秩序の再構築に向けた方策を考察したうえで、OECDの意義や果たすべき役割、日本の貢献方法などについて議論する。
新美 潤
しんみ じゅん
OECD日本政府代表部特命全権大使
1983年一橋大学法学部卒業、同年外務省入省。国際連合日本政府代表部一等書記官、経済局国際経済第一課長、在アメリカ合衆国日本国大使館公使(2007年8月)を経て、在エチオピア日本国大使館兼在ジブチ日本国大使館大使(2010年7月)。大臣官房参事官兼総合外交政策局(国連担当大使)(2013年1月)、大臣官房国際文化交流審議官(大使)(2015年6月)を務め、在スロバキア日本国大使館特命全権大使(2016年3月)、特命全権大使(アフリカ開発会議担当,国連安保理改革担当、人権担当)(2020年2月)、国際平和貢献、国際貿易・経済担当特命全権大使(2020年10月)、アフリカの角地域関連担当などを歴任し、2022年11月から現職
エマ・マルチェガリア
B7イタリア2024議長、BIAC副会長、マルチェガリアホールディング会長兼CEO
ボッコーニ大学経営学部卒、ニューヨーク大学で経営学修士号取得
製鉄・鉄鋼を中核事業とするイタリア屈指の企業連合マルチェガリアで、マルチェガリアホールディング会長兼CEOなどを務める
イタリア産業連盟会長(2008~2012年)、ルイス自由大学理事長(2010~2019年)、ビジネスヨーロッパ会長(2013~2017年)、Eni(イタリアの石油・ガス会社)会長(2014~2020年)を歴任。いずれも女性が就任したのは初めて。2020年11月から1年間、B20議長を務め、G20ビジネスサミット(B20サミット)を成功に導く
2024年1月にB7議長に就任。BIAC副会長、ISPI(イタリア国際政治研究所)副会長も務める
稲垣 精二
いながき せいじ
経団連審議員会副議長、OECD諮問委員長
第一生命ホールディングス会長
1986年第一生命保険入社。2012年第一生命保険執行役員、2015年常務執行役員、2016年同取締役常務執行役員、第一生命ホールディングス取締役常務執行役員、2017年代表取締役社長、2022年同代表取締役社長(Chief Executive Officer)に就任。2023年から現職
原 一郎
はら いちろう
司会:経団連常務理事
- ■ 国際情勢に対する現状認識
- 地政学的な混沌の中でのOECDの役割や意義の重要性
- 自由で開かれた国際秩序の再構築は、経済界にとって最優先事項
- グローバルサウスと共に新たなコモンズの再構築を
- ■ 自由で開かれた国際秩序の再構築に向けて
- 国際議論への積極的な参画が求められる日本
- 国際社会が抱える諸問題を多面的アプローチでリードすることが必要
- 経済活動と安全保障とが密接不可分となった時代の課題
- ■ 各国政府やOECD等の国際機関に求められる役割
- 議長国のローテーションでは継続性が重要
- OECDに期待する三つの役割
- 徹底した熟議による意思決定プロセス
- ■ 課題に対するそれぞれの立場からの貢献
- 企業にはOECDの意思決定に積極的に関与を
- 熟議を通したコンセンサスで一つにまとまっていく
- 官民連携での取り組みを通じた貢献