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月刊 経団連 2024年 バックナンバー

2024年11月号

Science to Startup

日本のスタートアップの数と成功のレベルをともに10倍にする目標「10X10X」を官民で共有してからはや2年。政府が打ち出した各種施策がモメンタムを形成し、裾野は拡大しつつある一方、成功レベルの引き上げが課題となっている。
米国などではトップレベルの研究大学からスタートアップが多数輩出され、ユニコーンの半数以上をディープテック系企業が占めている。しかし、日本においては大学研究と社会実装の間にはいまだミッシングリンクがある。 スタートアップを通じた優れた研究の社会実装、すなわち「Science to Startup」こそが、日本のユニコーン増加、そして10X10X実現の鍵である。そこで、日本におけるScience to Startupの実現に向けて、解決すべき課題や取り組みの方向性について議論する。

2024年10月号

経済安全保障と国際秩序

複雑化する米中関係やコロナ禍によるサプライチェーンの途絶、軍事転用可能な民生技術(デュアルユース技術)の進化などにより、経済安全保障の重要性が認識され、サプライチェーンの強靭化、機密情報の管理、経済的威圧の抑止などをめぐり、わが国においても法整備や政策検討が行われている。こうした動きは、グローバルなパワーバランスの変化やロシアのウクライナ侵略、中東における紛争により、自由で開かれた国際秩序が不安定化している中で進んでいる。
このような情勢を踏まえ、経団連21世紀政策研究所では、2023年から国際秩序を軸としたプロジェクトを新たに立ち上げ、国別・エリア別のプロジェクトとも連携しつつ、『経済安全保障の地政学』などのセミナーや研究報告を行っている。

高齢社員のさらなる活躍推進に向けて

急速な人口減少と少子化が進行する中、イノベーションの創出による持続的な成長を実現するためには、多様な人材の強みや個性を発揮できる職場環境の整備が不可欠となっている。
とりわけ、企業における高齢社員の活躍は、わが国で深刻化している労働力問題への対応だけではなく、高齢社員のエンゲージメント向上を通じてパフォーマンスを高めることで、イノベーションを創出し、企業の生産性の向上にもつながる重要な取り組みといえる。

2024年9月号

サステイナブルな未来社会のデザイン ─夏季フォーラム2024

経団連は7月18、19の両日、軽井沢で夏季フォーラム2024(議長=東原敏昭副会長)を開催した。十倉雅和会長、冨田哲郎審議員会議長をはじめ副会長、審議員会副議長ら総勢38人が参加したほか、国内外から5人の有識者を講師に迎え、「サステイナブルな未来社会のデザイン」を統一テーマに活発に討議した。
フォーラム終盤の特別セッションには、岸田文雄内閣総理大臣が登壇し、「変化を力にする日本」の実現に向けた決意を示した。2日間にわたる討議の成果は、「夏季フォーラム2024軽井沢宣言」として採択され、十倉会長・東原議長が岸田首相に手交した。

南米との経済連携の推進

2024年は、ブラジルがG20の議長国を務め、ペルーではAPEC首脳会合が開催されるなど、世界の注目が南米に集まる南米イヤーともいうべき年にあたる。
南米は世界最大の日系人社会を有し、長年、日本は鉱物資源や食料などの貿易や多くの日系企業の活動を通じて南米諸国と緊密な関係を築いてきた。経団連も中南米地域委員会をはじめ、ブラジル、コロンビア、ベネズエラの各委員会の活動を通じて、南米諸国との経済関係強化を図ってきた。
本特集では、日本と南米との関係強化の意義に加え、南米に根差して事業を拡大する日本企業の取り組みを紹介する。

2024年8月号

高度専門人材の育成と活躍推進に向けて

国際的な人材獲得競争が激化する中、わが国で継続的にイノベーションを起こし、持続的成長を実現していくためには、高度専門人材の育成、獲得、活用が不可欠である。経団連は、会員企業等へのアンケートなども踏まえ、2024年2月に「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言」を取りまとめた。加えて、経団連と国公私立大学のトップからなる「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」において、博士人材の活躍と大学院教育の充実をテーマに議論を行い、4月に報告書を公表した。

2024年7月号

経団連定時総会

5月31日、2024年度の経団連定時総会を開催し、会場に300人、オンラインで150人が参加した。総会では、新副会長の選任を含む新体制を決定するとともに、2023年度事業報告および決算が報告されたほか、2024年度事業方針および収支予算を承認した。総会後に開かれた記念パーティーには、政界、経済界、各国大使館などから500人超が出席した。

能登地域の創造的な復興に向けて

2024年1月、能登半島を震源とする地震(令和6年能登半島地震)が発生した。経団連では、発災直後から支援活動に取り組むボランティア組織等と連携し、会員企業に対して被災者・被災地支援を呼びかけ、資金や物資の供給、復旧支援に関わる人材派遣等、様々な支援を展開したほか、北陸経済連合会による被災地域の復興ビジョンづくりに協力してきた。
近年、自然災害が頻発化・激甚化しており、被害の規模も大きくなっている。南海トラフ地震、首都直下型地震等、広域に及ぶ桁違いの大災害がいつ起きてもおかしくない状況にあり、国土強靭化に向けた取り組みは喫緊の課題である。
本特集では、経団連の能登半島地震に際しての被災者・被災地支援活動、北陸経済連合会による復興ビジョンの概要、防災・減災対策や国土強靭化に関わる経団連のスタンスなど、能登地域の創造的な復興に向けた取り組みを紹介する。

2024年6月号

複雑さを増す世界におけるOECDへの期待

OECDは、国際経済の広範な課題を取り扱うフォーラムとして、自由で開かれた国際秩序の形成に大きな役割を果たしてきた。しかし近年、米中両国の対立やロシアのウクライナ侵略などによる地政学的な緊張により世界は分断の危機に直面している。また先進国の世界経済に占める割合が低下しグローバルサウスが台頭する中、グローバルガバナンスのあり方が問われている。

2024年5月号

ネイチャーポジティブ

経団連は「サステイナブルな資本主義の実現」を掲げており、環境分野では、グリーントランスフォーメーション(GX)、サーキュラーエコノミー(CE)、ネイチャーポジティブ(NP)を一体的に推進することとしている。
2022年12月の国連生物多様性条約第15回締約国会議(CBD-COP15)における昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)採択など、生物多様性の保全が世界の潮流となる中、わが国も2023年3月、ネイチャーポジティブ経営の取り組みの推進をうたった「生物多様性国家戦略2023-2030」を閣議決定した。
そこで本特集では、ネイチャーポジティブをめぐる国内外の動向を俯瞰するとともに自然資本と企業経営との関係についての解説を通じて、ネイチャーポジティブ実現に向けた取り組みの必要性や課題を明らかにする。

2024年4月号

国際標準戦略のあり方

国際標準の獲得を含むルール形成は、グローバルな市場の創出や国の産業競争力に直結する。標準・規格作りの取り組みはこれまで欧米諸国が先行してきたが、加えて近年は、国際標準化機構(ISO)の専門委員会における議長ポスト獲得など中国のプレゼンスが増大している。他方、わが国では、企業の標準化に関わる体制構築の遅れに加えて、人材の不足・高齢化が深刻化している。急速な少子高齢化に伴う人口減少など、構造的な要因によって国内市場が先細る中、国際標準を戦略的に活用してグローバルな市場を切り拓いていくことは、わが国の持続的な成長にとって不可欠である。

2024年3月号

デフレ完全脱却に向けた「成長と分配の好循環」の加速

足元では、不安定な国際情勢や円安基調などを背景として、物価の上昇が続いている。あわせて、少子化と人口減少による供給面の制約を受け続けることが確実な状況にある。
こうした中、デフレからの完全脱却に向けて、わが国経済の安定的かつ持続的な経済成長を実現し、賃金引上げと総合的な処遇改善・人材育成に取り組むことを通じて「成長と分配の好循環」を回していくことが必要となる。そのため、各企業において、生産性の改善・向上を図り、賃金引上げの原資を継続的に確保することが求められている。

2024年2月号

幸せを創る明日の風景 ─GREEN×EXPO 2027

GREEN×EXPO 2027は、「新しいグリーン万博」という構想のもと、自然・人・社会が「共に持続するための最適解」を日本・横浜から発信していくことを目指している。ここ数年来、カーボンニュートラルやネイチャーポジティブをめぐる国連などの国際的な枠組みにおける議論が収束し、国レベルでの基本方針や国家戦略から、多様な主体が連携し、より身近で具体的な施策・アクションに取り組むフェーズに進みつつある。そこでは、企業・経済界が一層、積極的に協力・参画することが求められる。

2024年1月号

今後の日本経済を展望する

日本経済は大きな岐路に直面している。長年続いたデフレからの脱却という千載一遇のチャンスを迎え、デジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)等に関する国内での設備投資意欲も高く、これまでのコストカット型経済から持続的な成長を実現する機会が到来している。
他方で、地政学リスクの高まりや海外経済の減速懸念のほか、少子高齢化・人口減少をはじめとする構造的な課題も山積している。多くの課題を乗り越え、成長と分配の好循環を達成するためには、適切なマクロ経済運営と成長戦略の実行が求められる。

2023年の月刊 経団連