近年、IoTやAIをはじめとするデジタル技術の発達を背景に、分野横断的に都市活動全体の最適化を図る「スマートシティ」の構築に向けた取り組みが進展している。こうした都市はまさしくSociety 5.0のモデルとして、人々が新技術・データの利活用によるQOLの向上を体感できる場になると期待される。スマートシティの実現に向けては、住民、行政、企業など多様なステークホルダーが密に連携を取りながら、都市におけるデータ利活用の拡大や新技術の社会実装を進めていかなければならない。各地で進む最先端の取り組みを紹介するとともに、Society 5.0時代にふさわしい都市の実現に向けて、政府や企業が取り組むべき課題や今後の展望について議論する。
月刊 経団連 2019年 バックナンバー
2019年11月号
SDGsの推進にあたっては、2015年の採択以来、世界各地で普及・啓発が図られている。今年9月には各国の取り組みの進捗状況を政府首脳レベルでレビューするサミットが国連で初めて開催されたほか、わが国でも年末にSDGs実施指針の改定および「ビジネスと人権に関する国別行動計画」の策定を控えるなど、いよいよ具体的なアクションを本格化させる段階を迎えている。
一方、SDGsの達成にはイノベーションの拡大が不可欠であり、その担い手である企業の貢献がますます重要になってきている。また、ファイナンスの面でもSDGs達成には年間2兆5000億ドルもの資金不足が指摘されており、民間投資に高い期待が寄せられている。
こうしたなか、経団連では「Society 5.0 for SDGs」の実現を目指し、国連機関や民間のSDGs推進組織等との連携強化を通じて、日本企業によるSDGsへの貢献に関する発信に努めるとともに、より具体的なアクションを後押しするための環境整備に取り組んでいる。そこで、本座談会では、新たな段階を迎えつつあるSDGsの現状を踏まえ、あらためて日本企業によるSDGsへの取り組みの加速と実践の方途や経団連の役割について議論を深める。
2019年10月号
Society 5.0を実現するためには、デジタル技術とデータの活用により社会全体のデジタル革新を進めることが必要である。しかしながら、わが国においては企業によるデータ活用、とりわけ個人データの活用が十分に進んでいないのが実情である。このような状況を踏まえ、本座談会では、個人の納得・信頼を前提としたうえで、企業が個人データを活用して社会課題の解決に資するビジネスを創出するためには、どのような法規制や仕組みが必要で、さらに企業としてどのような取り組みを進めることが必要かについて議論する。
2019年9月号
均質性を重視した経営が戦後の日本の成長を支えてきたが、Society 5.0の時代においては、他社に先駆けてイノベーションを起こす力が企業の競争力を左右するものとして位置付けられ、組織の均質性よりも、多様性を重視する方向に変化している。また、来年の4月から同一労働同一賃金の関連法が順次施行される。この法改正は、多様な属性、あるいは就労形態で働く社員が協働するといった、多様性を創造性につなげる環境を整えるうえで、1つの契機となる。そこで、企業が多様性を活かした組織づくりを行う際の取り組みや課題について幅広く議論する。
2019年8月号
世界では、パリ協定やSDGsの採択以来、地球温暖化対策やエネルギーアクセスの確保、経済成長の実現等が両立する施策展開の重要性が一層高まっている。こうしたなか、G20の議長国として議論を主導した日本は、Society 5.0の実現も見据え、均整の取れたエネルギー・温暖化対策を着実に実行に移し、国際社会におけるリーダーシップを発揮していくことが求められる。
エネルギーをめぐっては、2018年7月に閣議決定された「エネルギー基本計画」を踏まえ、S+3Eの高度化や3D(脱炭素化・デジタル化・分散化)の推進に向け、過小投資問題等の課題に立ち向かう必要がある。地球温暖化対策についても、2050年以降を見据えた「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」で掲げたビジョンの実現を目指し、イノベーションの創出等に全力を傾ける必要がある。
こうした状況を踏まえ、本座談会では、今後、わが国が取り組むべきエネルギー・温暖化対策の方向性等について議論する。
2019年7月号
定時総会には、経団連会員企業の代表者ら約420名が出席。
2018年度事業報告および決算が報告されたほか、6名の新副会長を含む新体制を決定するとともに、2019年度事業方針およびアクションプログラム、収支予算を承認した。
ラグビーワールドカップ2019を目前に控え、東京2020オリンピック・パラリンピックがあと1年に迫るなか、国民的な機運醸成や大会後のレガシー形成に向けた活動も総仕上げの時期を迎えている。
そこで、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会の活動、両大会における日本代表選手・チーム活躍に向けた取り組みや競技の見どころ、大会後のレガシー形成などについて、多面的に取り上げる。
2019年6月号
現在、IT・ソフトウエア系を中心に多くのスタートアップが創業し、消費者向けから産業向けまでさまざまなサービス・製品を提供している。大企業側もオープンイノベーション志向が高まっており、スタートアップを取り巻く環境は充実の一途をたどっている。他方、米国や中国等のスタートアップ先進国と比較すると、評価額10 億ドル以上の未上場企業、いわゆるユニコーン企業の数やリスクマネーの規模はいまだ大きく劣っており、わが国のベンチャー・エコシステムをステージアップさせることが必要である。
経団連では、そうした問題意識のもと、提言「Society 5.0 実現に向けたベンチャー・エコシステムの進化」を取りまとめた。同提言では、明確なビジョンのもとで課題解決・価値創造に取り組むスタートアップこそがSociety 5.0 を担う存在であるとの期待をうたうとともに、ベンチャー・エコシステムの進化に向けて大企業のオープンイノベーションの定着・本格化が重要であると主張している。
本座談会では、未来に向けて挑戦するスタートアップの取り組みを紹介するとともに、各社が抱える実務的な課題、大企業との連携などについて議論を行う。
2019年5月号
足元の経済情勢は、海外経済の影響を受けつつも緩やかながら回復を続けている。こうした経済の回復基調が続くよう、今年10月の消費税率の引き上げを控えて、引き上げ前後の需要変動の平準化を図っていくための対策が講じられることとなる。他方、経済の下振れリスクとして、海外の動向が指摘されている。こうしたなかで、国としての経済政策の方向性や、経済・財政運営はどのようにあるべきかについて考える。とりわけ下振れリスクが懸念されるなかにあっても、財政健全化への取り組みを進め、わが国の経済基盤を盤石なものにするとともに、2020年のオリンピック・パラリンピック後も、腰折れしないような、力強い成長を維持していく方策を検討する。
2019年4月号
今年3月、経団連では「Society 5.0 for SDGs」をテーマに掲げ、B20東京サミットを開催し、自由貿易やデジタル革新等に関するグローバルなルールづくりや世界経済の持続的かつ包摂的な発展に貢献する観点から、G20に対する提言を取りまとめ国内外に発信した。G20議長国を務めるわが国の国際的なリーダーシップが今まさに問われるなか、本座談会では、わが国を取り巻く国際環境を巨視的にとらえるとともに、日本の取るべき針路を展望すべく意見交換を行った。
2019年3月号
今年1月に公表された「2019年版経営労働政策特別委員会報告」では、Society 5.0を視野に置きながら、新たな時代にふさわしい働き方の実現に向けた諸課題を整理している。なかでも、働き方改革のさらなる推進と労働生産性の向上に一体的に取り組むこととあわせて、そのために不可欠なイノベーションを起こす人材育成の重要性を強調している。
本座談会では、イノベーション創出による生産性向上と人材育成のあり方について、各社の取り組み状況を踏まえ、重点的に検討。そのうえで、各社の実情に即した働き方、処遇のあり方など、今次春季労使交渉・協議における主要な論点を明らかにするとともに、企業労使の議論の方向性を展望する。
2019年2月号
Society 5.0の実現、SDGsの達成に向けイノベーションを推進していくうえで、世界からわが国の資本市場に資金を呼び込むことが重要である。投資先としての日本企業の魅力を高めるためには、トップの経営力に加え、実効あるコーポレート・ガバナンスの実現や、投資家との建設的対話の促進など、中長期的な企業価値向上に向けた取り組みとその対外発信が求められる。本座談会では、わが国のコーポレート・ガバナンス改革、企業と投資家との建設的対話促進に向けた取り組みについて、各主体による評価、日本的ガバナンスのあり方や今後の課題、経団連への期待などを議論する。
2019年1月号
デジタル革新の波が社会の前提を根本から変えていく。 技術の進歩は社会をどのような方向にも導き得る。 今われわれがすべきことは、自ら変革を主導し、目指したい社会をともに創っていくことである。 社会の変化の波にのみ込まれることを恐れることはない。 デジタル革新を先導するサティア・ナデラ氏と中西宏明会長が、大変革の時代に創りあげる未来の姿について語り合った。