グローバル社会の発展を支える人と人の交流を深めよう
世界の政治・経済の不透明感と変動の幅が増大するなかで、アジア地域の相対的な安定感と成長可能性が注目されてきている。そのアジア地域の一員であるわが国の企業は、アジアの各国において昔からさまざまな活動を行っている。 そして、このアジア地域は、近年の経済や社会の発展に伴い、今や製造におけるサプライチェーンの拠点であるだけでなく、製品の製造から販売・サービスまでの一貫した事業活動をも行う、わが国にとり非常に重要な地域となっている。
世界の政治・経済の不透明感と変動の幅が増大するなかで、アジア地域の相対的な安定感と成長可能性が注目されてきている。そのアジア地域の一員であるわが国の企業は、アジアの各国において昔からさまざまな活動を行っている。 そして、このアジア地域は、近年の経済や社会の発展に伴い、今や製造におけるサプライチェーンの拠点であるだけでなく、製品の製造から販売・サービスまでの一貫した事業活動をも行う、わが国にとり非常に重要な地域となっている。
世界経済の先行きに不透明感が漂うなか、アジアは引き続き成長をけん引する役割を期待されている。なかでもASEANは、多くの日本企業が進出し、中国やインドともつながるサプライチェーンの重要な拠点であるだけでなく、ベトナム、ミャンマーといったフロンティアを擁している。そのため、地域統合の推進と相まって、その重要性はますます高まると見込まれている。そこで、ASEANを中心に、中国やインドを含めたアジアの政治経済情勢を展望するとともに、日本企業のグローバルサプライチェーンの強化に向けた課題と官民の果たすべき役割について議論する。
飯島彰己(経団連副会長、国際協力委員長/三井物産会長)
ASEANを中心とするアジアは、生産拠点ならびに市場という両方の観点から日本企業にとって重要な地域である。アジアの魅力としては、多様性、FTAなど制度面での経済連携の深化、サプライチェーンを支える交通インフラの整備の3つがある。世界の一部で反グローバル化が台頭しつつあるなか、アジア地域が今後も世界経済をけん引していけるよう、日本は官民連携のもと、地域経済統合の推進、輸出を通じたインフラ整備への貢献、各国におけるビジネス環境の整備に取り組む必要がある。
木村福成(慶應義塾大学経済学部教授/ERIAチーフエコノミスト)
世界で反グローバル化の声が強まるなか、日本とASEANは、一貫して自由貿易を推進し続けている。ASEANは、グローバル化による経済成長を自国の発展につなげてきた。その意味で、日本とASEANのパートナーシップは、ますます重要になってくる。ASEAN諸国が新たなイノベーションを生み出していくには、高度人材を引きつける魅力、「都市アメニティー」が必要である。この分野は、日本企業にとって新たなビジネスチャンスとなるだろう。
伊藤雅俊(経団連審議員会副議長、アジア・大洋州地域委員長/味の素会長)
日本企業は早くから東南アジアに着目し、長期間にわたって良好な関係を築いてきた。当社も60年前から、輸出ではなく現地生産のかたちで事業を展開してきた。その際、地元の人々の生活に密着することが大切であると考え、現地スタッフが、現金で、現物を直接販売する「3現主義」を貫いてきた。現在は、ASEAN各国で調味料分野においてトップブランドの地位を確立している。今後も、地域の人々の生活の質の向上に貢献することで、当社のみならず日本全体のブランド価値を高めていきたい。
大林剛郎(経団連経済外交委員長/大林組会長)
日本国内の公共投資が減っていくなか、建設業界としては、これから成長する国々に活路を見いだしていく。なかでもアジアは、歴史的関係から培われた人脈や経験、知識があり、地理的にも近いため、大型プロジェクトを進めやすい。当社としては、最も成功しているタイをモデルケースとして、ASEAN各国に事業を展開していきたい。ODAを含む公共事業では、透明性の向上、コンプライアンスの徹底が求められる。相手国政府・企業とグローバルスタンダードに基づいた契約の締結と履行がなされるよう、日本政府の後押しを期待する。
椋田哲史(司会:経団連専務理事)
アジアとの関係強化に向けた経団連の取り組み
江頭敏明(経団連審議員会副議長、アジア・大洋州地域委員長/三井住友海上火災保険常任顧問)
設立50周年を迎えたASEANとの関係強化に向けて
岸田文雄(外務大臣/衆議院議員)
アジアのインフラ整備に向けたADBの役割と民間の役割
中尾武彦(アジア開発銀行総裁)
ASEAN諸国の成長戦略と日本への期待
西村英俊(東アジア・アセアン経済研究センター事務総長)
進展する日ASEAN関係と日本アセアンセンターの役割
藤田正孝(日本アセアンセンター事務総長)
アジア太平洋地域における地域経済統合の動向と展望
中川淳司(東京大学社会科学研究所教授)
ASEANの持続的成長に向けたわが国開発協力の役割
―アジアの世紀を体現する
田中 寧(国際協力機構東南アジア・大洋州部長)
アジアにおけるインフラ整備の推進
―提言「戦略的なインフラ・システムの海外展開に向けて」を踏まえて
http://www.keidanren.or.jp/policy/2016/106.html
遠藤信博(経団連国際協力委員長/日本電気会長)
成長するASEANにおける帝人グループの事業展開
大八木成男(帝人会長)
ASEANの経済連携と自動車産業の発展
志賀俊之(日産自動車副会長)
ASEAN地域におけるソニーの活動と今後の可能性
岸田光哉(ソニー執行役員ビジネスエグゼクティブ)
ASEAN地域における物流需要と日本通運の事業展開
竹添進二郎(日本通運海外管理部長)
両国の首脳を迎え「日露ビジネス対話」を開催
―日露関係を新たな次元へと高めるために
榊原定征(経団連会長)
ワシントンDCを訪問し、米国の政治経済情勢を調査
―経団連国際対話プロジェクト訪米団
岩沙弘道(経団連審議員会議長/三井不動産会長)
石原邦夫(経団連アメリカ委員長/東京海上日動火災保険相談役)
村瀬治男(経団連審議員会副議長、アメリカ委員長/キヤノンマーケティングジャパン会長)
欧州とのさらなる経済関係の強化に向けて
―ヨーロッパ地域委員会がスロベニア、スロバキア、フィンランドを訪問
佐藤義雄(経団連ヨーロッパ地域委員長/住友生命保険会長)
石塚博昭(経団連ヨーロッパ地域委員長/三菱ケミカルホールディングス副会長)
企業スポーツの新たな挑戦
小さなことからコツコツとカタチにし、企業文化として育てる
―あいおいニッセイ同和損保の障がい者スポーツ支援
地域と企業の連携が未来を生み出す
若い力が被災地の農業を復活させる
―福島県二本松市
あの時、あの言葉
自灯明
平岡昭良(日本ユニシス社長)
Essay「時の調べ」
狂言師の新春
茂山千三郎(狂言師)
大統領選挙明けにニューヨーク・マンハッタンで考えた!
山越厚志(経団連米国事務所長)