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月刊 経団連  座談会・対談 2014年春季労使交渉・協議に向けて ~デフレからの脱却と持続的な成長の実現

川本裕康
司会:経団連常務理事

伊丹敬之
東京理科大学大学院イノベーション研究科長/経営労働政策委員会アドバイザー

古賀信行
経団連審議員会副議長
野村證券会長

篠田和久
経団連副会長・雇用委員長
王子ホールディングス会長

宮原耕治
経団連副会長・経営労働政策委員長
日本郵船会長

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宮原耕治 (経団連副会長・経営労働政策委員長/日本郵船会長)
安倍総理が掲げる「世界で一番企業が活躍しやすい国」の実現に向けて、法人実効税率やエネルギーコストの引き下げを図る必要がある。経済の好循環実現を目指した政労使会議は、デフレ脱却を図るために特別の意義があった。賃金などの労働条件は自社の経営状況に即して労使が徹底的に議論し決定するとの原則のもと、業績が好調な企業は、賞与・一時金への反映や特定層の賃金水準の引き上げ、諸手当の改定など、さまざまな方策を検討するだろう。

篠田和久 (経団連副会長・雇用委員長/王子ホールディングス会長)
失業なき労働移動を実現するためには、持続的な経済成長と新たな雇用の受け皿となる成長産業の育成が何よりも必要である。そのうえで、非正規雇用を含めて、社会全体として労働者の能力開発とキャリア形成の機会を増やしていくことが重要だ。最近の労働法制の動きに対しては、議論を重ねてバランスのとれた政策となることを期待したい。今回の労働者派遣制度の見直しは関係者にとってわかりやすい制度を目指しており、その方向性を高く評価している。

古賀信行 (経団連審議員会副議長/野村證券会長)
企業のグローバル化に伴い、年功的な賃金カーブや旧来型ベースアップを採用しない企業が現れるなど、日本企業の賃金体系や決定方法は大きく変わってきているが、業績が良くなれば従業員にも報いることは、引き続き、経営者の務めだ。また、労使コミュニケーションの重要性も変わらない。労使交渉は、経営環境や経営方針を組合員に正しく理解してもらう場であり、職場環境や人材育成などの現場の声を組合から経営側に伝える場でもある。

伊丹敬之 (東京理科大学大学院イノベーション研究科長/経営労働政策委員会アドバイザー)
異次元の金融緩和により、行き過ぎた円高は是正された。もう一つの課題である電力問題を解決するには、40年前のオイルショックのときに日本の産業が見せた、エネルギー消費を減らして成長するという離れ業を実現すべきである。今はアベノミクスの成否がかかるターニングポイントにあり、経営者が思い切った判断をすることが、本格的な景気回復につながることになるだろう。

川本裕康 (司会:経団連常務理事)

  • ●日本企業を取り巻く経営環境と経済成長に向けた課題
  • 産業構造を変えなければ成長できない
  • 経済成長と整合性のあるエネルギー政策が不可欠
  • 国内産業の空洞化を食い止める施策が必要
  • 本格的な景気回復のカギは成長戦略の着実な実行
  • ●多様な人材の活用
  • 雇用維持型から労働移動支援型への転換が必要
  • グローバル化・ダイバーシティー化を積極的に推進
  • 企業理念や価値観を共有するための「DNA研修」
  • 若い世代にグローバルな現場で成功体験を積ませる
  • ●労使間におけるコミュニケーションのあり方
  • 多様なチャネルによるコミュニケーションの強化が必要
  • 労使が真剣に議論して、コンセンサスを得ることが大切
  • 「より良い職場にしたい」という思いを労使で共有する
  • ●今次労使交渉・協議に向けた基本的な考え方
  • 政労使会議の議論と今次労使交渉・協議における経営側のスタンス
  • 労使自治を前提に、より柔軟な働き方を許容していくべき
  • 個別の企業によって対応は異ならざるを得ない
  • アベノミクスは成否のターニングポイントを迎えている

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