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月刊 経団連  座談会・対談 革新的な施策により観光立国を目指す

生江隆之
司会:経団連観光委員会企画部会長
三井ホーム

末澤和政
藤田観光

山口範雄
経団連審議員会副議長・観光委員会共同委員長
味の素

大塚陸毅
経団連副会長・観光委員長
東日本旅客鉄道

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大塚陸毅 (経団連副会長・観光委員長/東日本旅客鉄道相談役)
今年4月に仙台と東京で開催されたWTTCグローバルサミットは、野田総理の登壇もあり、日本が国家戦略として観光に取り組む姿勢を明確に示すことができた。この会合の成否は、今後の具体的な取り組みによって決まる。「伝統と最先端のテクノロジーの並存」という日本の魅力を活かし、関係者の協調と連携を深め、観光立国を実現しなければならない。政治のリーダーシップは不可欠だが、経団連としても、観光関連産業の優良事例の横展開などに取り組むほか、必要に応じ政策提言を行っていきたい。

山口範雄 (経団連審議員会副議長・観光委員会共同委員長/味の素会長)
観光とは、国内外で人と人とのつながりをつくっていく営みである。「絆」という言葉に象徴されるように、震災を経て、豊かな観光を提供できる素地が、日本社会に醸成されてきたと感じる。昨年から、日本の食文化をユネスコの世界遺産に登録しようというプロジェクトが動いているが、四季や自然、健康など、食文化に活かされた日本文化の魅力を訴えることは、観光需要の喚起につながる。

末澤和政 (藤田観光社長)
観光は、「量」の時代から、「個」あるいは「質」の時代に転換しつつある。成長著しいアジアをはじめ、多様化する観光客一人ひとりのニーズに応えられるサービスの提供が必要である。企業としては、性別・年齢・国籍・学歴など、多様な人材を登用し、ダイバーシティ化を進めていくことが必要である。国レベルの取り組みとしては、経済、文化、科学技術、医療など、あらゆる分野の力を高めることが、日本の観光競争力を高めることになるだろう。

生江隆之 (司会:経団連観光委員会企画部会長/三井ホーム社長)

  • ●東日本大震災後の観光をめぐる状況
  • 観光がつくり出す人々の交流が経済を動かす
  • 観光業も「量」から「質」へ転換する時期がきている
  • 観光は人と人とのつながりをつくっていく営み
  • ●日本の魅力とは何か、それをどのように伝えるか
  • 食文化に活かされた日本文化の魅力を訴える
  • あらゆる分野の力を高めることが訪日者を増やす
  • 伝統と最先端のテクノロジーの並存が日本の魅力
  • 全世界の都市へ「世界の未来像」を提案していく
  • ●日本の観光振興政策のあり方と民間の取り組み
  • 「面」の発想で、国・地域レベルの連携を
  • 三つのキーワード「連携」「国民運動化」「人材育成」
  • 観光立国に向けて、政治のリーダーシップを

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