日本経団連1%クラブニュース増刊号
災害被災地支援情報発行:(社)日本経済団体連合会 社会第二本部内 1%クラブ事務局
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梅雨前線の活発化に伴う大雨により各地域で冠水・崖崩れが発生し、熊本県を中心に被害が生じています。県内は現在も時折強い雨が降り、災害の発生に対して予断を許さない状況が続いていることから、被災地での災害ボランティア活動については待機しているところです。
一方、災害救助法が適用された熊本県下益城郡美里町では、道路等の寸断により集落が孤立しており、119名が避難しています。避難者の生活は、行政や町社協をはじめ、ボランティアグループなどによって支えられています。
支援Pでは、能登半島地震の際に提供いただいた物品を活用して、「うるうるパック」200個を、町社協を通じて届ける準備をしています。今後の活動については、現地の状況を見ながら判断していく予定です。
熊本県では義援金の募集を開始しました。義援金は、被災者の方々に直接お見舞金として届けられます。義援金の配分は、県、共同募金会、日本赤十字社の支部、報道関係など関係機関で構成する配分委員会において決定されます。義援金は構成団体それぞれが受入窓口を設けていますが、最終的には合算されて被災者の方々に分配されます。以下に熊本県共同募金会の窓口をご紹介します。
<熊本県共同募金会> | |||
義援金名称 | : | 熊本県大雨災害義援金 | |
受付期間 | : | 7月11日(水)から8月10日(金)まで | |
受入口座 | : | 肥後銀行 口座名/社会福祉法人熊本県共同募金会 | |
(または) | 熊本ファミリー銀行 口座名/社会福祉法人熊本県共同募金会 |
連絡先(領収書申込先) | : | 社会福祉法人熊本県共同募金会 |
電 話 | : | 096−354−3993 |
FAX | : | 096−353−4566 |
: | [email protected] |
1%クラブでは、7月3日、東京・大手町の経団連会館で、3月25日に発生した能登半島地震の被災地支援に関する報告会を、「災害ボランティア活動支援プロジェクト会議」(以下、支援P)の協力を得て開催いたしました。
支援Pは、新潟中越地震を契機に、2005年1月に中央共同募金会に設置された、企業・社会福祉協議会・NPO・共同募金会が協働する緩やかなネットワークです。災害対応力の強化に向けて、人材、資源・物資、資金の有効活用を促す仕組みづくりの実現など、災害ボランティア活動の環境整備をめざしています。
『1%クラブ災害被災地支援情報』を通じて、現地の様子をお伝えしながら具体的な支援を呼びかけさせていただいたところ、会員企業からは、被災者に直接分配される義援金のほか、ボランティア活動資金への募金(20,281,013円)、救援物資の提供(1,600万円相当)をいただきました。皆様のご支援ご協力に感謝いたします。
報告会には、池田1%クラブ会長はじめ、100名を超える参加がありました。企業からの支援が現地災害ボランティアセンターでどのように活用されたのか、写真を交えながら報告を行いました。以下に、報告のエッセンスをご紹介いたします。
災害ボランティアセンターの活動状況
被災地では、輪島市、旧門前町、穴水町の3ヵ所に設置された災害ボランティアセンターを中心に支援活動が展開されました。各センターは5月末に閉所されましたが、地元の社会福祉協議会やボランティア連絡会などが引き続き、被災者の生活・復興支援の活動を行っています。
3つのセンターでは、65日間で延べ16,000名を超えるボランティアが、家の片付けや引越し、ゴミの運搬など、被災者から直接寄せられる依頼に対応しました。また、被災者のニーズの調査、元気づけのイベント企画などを通じて、中長期の復興に向けた環境整備も行いました。
支援Pでは、災害ボランティアセンターの運営経験者や研修受講者を中心に、全国の社会福祉協議会やNPO関係者を派遣し、地元主体のセンター運営をサポートいたしました。
心を運ぶ救援物資のコーディネート
1%クラブや支援Pを通じて呼びかけて提供いただいた物資は、災害ボランティアセンターの運営に必要な備品、被災者への救援物資の2つに大別されます。センター運営用備品としては、机やイスなどの事務機器、被災者やボランティアへの配付資料作成のためのコピー機や印刷機、散在する活動場所への移動や瓦礫運搬のための車両、活動記録用のデジタルカメラ、連絡調整用の携帯電話などを提供いただきました。
救援物資については、被災地域の方々が必要とする物資を一旦県外で集約し、各世帯に配付できるように袋詰めして届ける「うるうるパック」を実施しました。タオル、石鹸、ウェットテッシュなどが入った「基本パック」は、避難所や被災家庭を訪問する際に配付されました。
また、地域の小中学校には、始業式応援パックとして、文具品一式を手書きのカードと一緒に届けました。子どもたちからは、「勇気や希望をもらった」「いつか恩返しがしたい」というお礼状が寄せられています。その他にも、子ども用福袋、乳幼児をかかえたお母さんを応援する親子パックなど、工夫を凝らした配付が行われました。また、ご高齢者に対しては、看護婦や保健婦が被災者の健康状態を見ながら、おかゆパックを温めて届けたり、替えの下着を配付したり、きめ細やかに対応しました。
災害ボランティアセンターでは、救援物資は単なるモノではなく、コミュニケーションのきっかけ、被災者を応援する心を伝える手段として、知恵と工夫を凝らして手間をかけて配付されました。ボランティアを通じた救援物資の配付は、公平・平等を原則とする行政による支援では抜け落ちてしまう隙間を埋める、相互補完の仕組みとしても有効ではないか、というご意見もいただきました。
ボランティア活動資金の使途
中越地震を機に、中央共同募金会に設けられた「ボランティア活動資金」は、全国各地のNPOのコーディネート費、救援物資の運搬・調整費、中長期的な被災地支援の復興プロジェクト助成として活用されます。また、寄付が必要以上に集まった場合には、全国で発生する今後の災害に備えて積み立てられます。報告会時点での大まかな会計状況は次のとおりです。
1%クラブとしては、今後も、被災地のニーズに基づく支援に関する情報発信や仕組みの提案とともに、活動の透明性の向上に資する報告にも努めたいと存じます。この場をお借りして、ご支援をいただいた企業の皆様に心から感謝申しあげます。
市民による復興活動助成
被災地の方々の復興に向けた活動は、まだまだ続きます。支援Pでは、各社からご寄付いただいたボランティア活動資金の一部(300万円)を活用して、コミュニティづくり、高齢者支援、子育て支援、子どもたちの活動など、被災地復興のためのプロジェクト活動を支援する助成事業を行います。来週早々、中央共同募金会のホームページ( http://www.akaihane.or.jp/ )でご紹介する予定です。
能登復興支援プロジェクト
輪島市や商工会議所、青年会議所などが中心となって、「能登復興支援プロジェクト」を展開しています。同プロジェクトは、被災事業所をはじめ、全国の企業・団体・個人に復興支援シールを購入いただき、商品などに貼り付けて流通させることで復興の輪を広げることを目指します。また、蓄積された支援金を被災地の復興に役立てるものです。詳細はホームページ( http://www.genkinoto.com/ )をご参照ください。
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