14時50分に対策本部を立ち上げ、情報収集と緊急対応を開始
セブン‐イレブン・ジャパンは、被災された方々に生活必需品をお届けすることが流通事業者としての責務であると判断し、震災直後の14時50分に対策本部を立ち上げ、セブン&アイ・ホールディングスおよびグループ各社ともに情報共有を進めながら、店舗およびインフラの被害状況、被災地の状況や交通状況を一元的に把握し、情報収集と緊急対応に注力した。震災当日、包括連携協定を取り交わしている宮城県にミネラルウォーターなどの緊急支援物資を提供したことをはじめ、その後もグループ各社と連携しながら、被災地域や被災者を受け入れた関東地方の各自治体からの要請にお応えして、繰り返し支援物資の提供を実施した。
表1 グループ休業店舗数推移
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表2 セブン&アイ・ホールディングスによる緊急支援物資の一例
支援物資 | お届け先 | お届け日 |
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宮城県災害対策本部 | 3月13日 |
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福島県天栄村役場 | 3月12日 |
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宮城県災害対策本部 | 3月12日 |
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宮城県災害対策本部 | 3月12日 |
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宮城県・岩手県災害対策本部 | 3月12・13日 |
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宮城県災害対策本部 | 3月12日 |
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宮城県災害対策本部 | 3月13日 |
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郡山市役所 | 3月13日 |
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郡山市役所 | 3月13日 |
復旧支援と物流の再構築
被災地域では、震災直後から自主的に店舗を再開して地域のお客様のご要望に応えたオーナー様も少なからずいらっしゃった。こうした状況を踏まえ、一刻も早く安全な環境でお客様を店舗にお迎えできるよう、当社では、震災翌日以降、当社建築設備本部より延べ10名に上る担当者を被災地に派遣して、店舗点検と被災店舗・施設の復旧に注力した。また、人的支援も3月15日から4月にかけて5次にわたり延べ300人に上る応援人員派遣を実施して、復旧に努めた。この結果、震災1週間後の3月18日までに約250店舗が営業再開を果たした。
また、震災によって東北地方の物流網は一時的に機能を失い、なかでも宮城県の沿岸部に立地した常温およびフローズン物流拠点は津波によって深刻なダメージをこうむった。このため、早急に既存センターの復旧と代替センターの確保、仮設センターへの機能移転などを進め、物流網の再構築を推進。震災翌日の3月12日以降、順次物流センターの業務再開を果たし、3月末までに原発屋内退避エリア内のセンターなどを除く11センターが再稼働した。このような物流拠点の復旧作業と並行して、常温商品やフローズン商品については、福島、新潟、茨城、山梨、埼玉などの配送センターで在庫管理や仕分けを行い、復旧した既存センターや代替センターに輸送して物流体制の維持を図った。
図1 東北地方のセブン-イレブン店舗への商品供給体制
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セブン‐イレブン店舗での復旧応援
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地域間連携とグループシナジー
原材料や包装材料の供給がストップし、生産できる商品の種類に制約が生じるなか、当社では生産管理情報等を活用して、代替原材料や生産ラインの確保に努め、商品数を絞り込みながら継続的な商品供給を図った。しかし、震災の翌週から関東地方での計画停電や燃料不足等を背景に、首都圏店舗で必需品の品切れ、遅配が広がり、首都圏店舗への対応も強化する必要が生じた。このため、3月16日以降、新潟・北陸地区(7工場)長野・山梨地区(16工場)、関東地区、東北地区の各工場の製造能力を活かして地域を越えたバックアップ体制を構築(図1)することで商品供給を維持した。こうしたエリアを越えた商品供給に際しては、鮮度を長期に保つことができるチルド弁当の開発・供給にかねて力を注いできたことが奏功し、通常より長距離の商品配送によるバックアップ体制を柔軟に構築することができた。
また、ミネラルウォーターなど調達に困難が生じた商品については、セブン&アイ・ホールディングスの世界規模の商品調達網や各社のマーチャンダイジング網を活かして商品の確保に傾注した。商品調達に際してはグループ全体の視点で交渉を進め、各社に配分することで商品供給を継続することができた。さらに3月から4月にかけて燃料需給が逼迫して配送車両の燃料確保が困難になった際も、配送車両を通じての地域状況の把握し、グループ各社および取引先と情報を共有しながら、必要な燃料を確保し、被災地への商品供給を続けることができた。
配送車両を活用した「移動販売」の実施
さらに、今回の震災対応ではライフラインの壊滅的な打撃によって日常の買物が困難になった方々の強いご要望にお応えして、「移動販売」の取り組みも導入した。これは物流センターの保有する配送車両を活用し、一定エリア内を周回して商品を販売するもので、3月下旬より準備を進め4月6日より宮城県の営業許可を受け多賀城市内で移動販売を開始した。
当社では、これまでもセブン&アイ・グループおよび当社の情報網および経営インフラを活用することで、迅速かつ柔軟な対応を推進している。今回の震災対応においても、これまで培ってきた強固な営業基盤が地域間連携などの円滑な実施を可能にしたと考えている。今後、さらに日常の対応力を強化することで、緊急時においても地域ニーズに対応した商品・サービスを安定的に提供していきたい。
(10月13日記)